越前和紙復活を願って。日本の古き良き紙の世界へようこそ。

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かとぴーです。

越前和紙を使って、生命の表面を切り取る宮森さんの個展。和紙の品質の高さにびっくり!

和紙といえば、何を思い付きますか?

・折り紙?

・障子の紙?

・卒業証書?

私は古きよき時代というか、子供時代に親しみのあったものに、和紙は使われている感覚です。

今回取材させていただいた、宮森さん。和紙を使った樹拓アート(ツリーロビング)を作られているアーティストさんです。

普段はニューヨーク在住とのことでしたが、ちょうど個展のイベントのため日本へ帰国しているとのことで、お会いすることができました!

宮森さんの想いは、「越前和紙」の再興に貢献したい。

今回はそんな宮森さんの個展を訪問し、越前和紙について詳しく聞いてきました!

【宮森敬子さんのプロフィール】

神奈川県生まれ。アメリカを基盤に活動制作をしているアーティスト。アフリカへの旅中にマラリアに罹患。命を取りとめた後、元は獣医になる夢を断念して美術の道へ。大学時代日本画を専攻、大学院卒業の年に現代絵画の賞である三木多門賞を受賞し渡米した。その後、日本でも上野の森美術館など様々な美術館で作品の展示や個展を通して世界観を表現している。

宮森さんが制作される作品、「フロッタージュ」

宮森さんは、生命の表面の一部を切り取る手法として、ツリーロビング(表面に紙をのせ、模様を写し取るフロッタージュという技法を樹木で行う)という技法を取り入れて作品を制作されています。

宮森さんフロッタージュというのは、十円玉に紙を当てて、上からごしごしするとその表面が紙に浮かび上がるじゃないですか。そんな手法のことを言います」

かとぴー版画みたいなイメージですよね。作品自体の制作は結構時間がかかるものなのでしょうか?」

宮森さん「作業自体はそれほど時間はかからないです。フィールドワークを通して出会う樹木、時にはご神木などの表面を和紙へ写し取り作品を作っているのですが、樹木の作品を作るためには自分が旅した時間、時には持ち主や地元の方の理解や協力を得る必要があるので、むしろそっちに力を懸けてやっているところはありますね。」

宮森さんは日本だけではなく、オーストラリアアフリカなど、様々な国へフィールドワークをしながら作品を作られています。

宮森さん「私は表面というものに興味があって、1枚の紙に浮かび上がってくる生と死の間の一瞬、というか、生命の痕跡みたいなものを和紙に映し出し、入れ替わっていく命を表現したいと思っています。」

神奈川県関内で行われた宮森さんの個展に参加してきた!

宮森さんは、今回横浜の「ギャルリー・パリ」にて個展を行われていました。
※現在こちらのイベントは終了しています。

宮森敬子個展「誕生、成長、回帰」

中でも目を引くのは、和紙で作られたカーテン。カーテン自体が2重で作られており、内側の和紙は雁皮(がんぴ)紙と呼ばれるとても薄くてシルクのような肌触りの和紙でした。

個展の展示物は触ることができたのですが、その裏側のものが余裕で透ける薄さ!ただ和紙がの繊維が特殊で、少し引っ張った程度では破れないそうです。

かとぴー「ほんとに薄い。すごい技術だ!!!」

宮森さん「和紙は繊維が長く、強いので破れにくいのが特徴です。特に職人さんの手にかかれば薄くて手触りもよく、このようにシルクのような紙を漉ける方もいらっしゃいます。」

カーテンの外側も宮森さんが1枚1枚別の樹木をフロッタージュで描いた越前和紙で作られています。

個展全体的に白を基調に神秘的な世界が表現されていました。それ以上に、和紙に直接触れることで、和紙自体がとんでもなく繊細な技術で作られているんだなということを実感します。

『紙祖神1300年祭』記念展に、資金調達のためクラウドファンディングを活用。

越前和紙といえば、福井県。

福井県の今立市(現在は越前市と統合されている)は、今から1500年前に、村人に紙漉きの技術を伝えた和紙の神様の伝説があるといいます。

その1300年祭を祝って、福井県の岡太神社・大瀧神社にて今年の5月に『紙祖神1300年記念展』が開催されました。
※紙祖神1300年祭関連イベント(浮世絵プロジェクト)については下記のプレスリリースにて

 www.afpbb.com 
『 紙の神様 』紙祖神 岡太神社・大瀧神社(国の重要文化財)  壱千参百年大祭浮...
http://www.afpbb.com/articles/-/3171753?act=all
平成30年5月2日(水)~5日(土)に行われる壱千参百年大祭にむけて50年に一度の大祭を後世に伝えるため、現代の浮世絵版画として、この土地で生まれた越前和紙に大祭を刻み残したい!紙祖神 岡太神社・大瀧神社 1300年大祭実行委員会と福井県和紙工業協同組合(事務...

紙梳きの文化を伝承したと言われる「川上御前」を和紙の神、紙祖神と祀った紙祖神1300年祭では、様々なイベントのほか、アートの記念展や文化財が展示されたそうです。

宮森さんは20年前に『今立現代美術紙展』で大賞を受賞、当時知り合った職人さんたちと今でも交流があり、福井の和紙を自身のアートに使用されてきました。

宮森さん「招待作家とは言っても、地元の予算は限られていました。自分が納得できる、新しい展示物を作るために、素晴らしい技術を持った職人さんに紙を漉いて頂く必要があり、やはりそのためには資金が必要でした。」

宮森さんは資金調達のため、クラウドファンディングのプロジェクトをなんとアメリカ在住時に起こし、たくさんの方へ協力を呼びかけました。

▼当時の宮森さんのプロジェクトページです。

宮森さん「クラウドファンディングは、パソコンの知識に乏しかった自分にとって大変な作業も多かったです。やってみて資金調達はもちろんですが、結果的に周りへ活動の宣伝ができることが素晴らしいと思いました。やって良かったなと思うことが多いです。」

パソコンやSNSなどでタッグを組んでいた有美子さん。

宮森さんがクラウドファンディングを手伝ってくれる方を探し、ご友人に紹介されたのが美子さんだそうです。宮森さんの個展でもパフォーマーとして活躍されていました。

有美子さん「正直あまり内容も知らないまま渡米したので、SNSなども2人で一緒に勉強したり、試行錯誤で進めてきた感じです(笑)」

宮森さんは更に驚くことに、クラウドファンディングでは『All-or-Nothing(目標金額に到達しなかった場合は1円ももらえない方式)』で挑戦!

宮森さん「どうせやるなら、自分にガッツがかかるように、後がないような方式でやろうと思ってスタートしました。今は資金が無事に調達できてほっとしています(笑)」

宮森さんにお伺いする、今後の「越前和紙」

そんな、越前和紙を含めた和紙の文化。現在は海外から輸入される、いわゆる洋紙の普及から需要が減っているといいます。

特に宮森さんが今回出会った梅田和紙の雁皮紙。こちらの工房主さんは雁皮紙の需要が減って、工房は閉鎖に追い込まれてしまいました。

先ほどの展示物にもあった雁皮を使った和紙を繊細な技術で漉きあげる技術を持ち、雁皮紙では有名だった梅田さん。将来また職人さんを呼び戻せる日を願って工房を維持されているそうです。

かとぴー「和紙は今後どのように発展していくと思いますか?」

宮森さん「私が用いるアートを通してでもいいですし、今一度、日本人に和紙の良さに気づいてほしいですね。もちろん洋紙はとても安くて、今は技術も上がってきて品質も素晴らしい。

海外でも、和紙をイイねと言ってくださる方が増えています。日本においても大切な紙には破れにくくて強い和紙を使うなど、和紙の文化が今後もより深く根付いたらこれほど嬉しいことはないですよね。」

かとぴー「今日の一連のお話がとっても深くて感動しました。これからも和紙の普及を私も応援し続けたいと思います。」

宮森さん「私自体も色んなことがありましたが、いつも、とにかく前向きに頑張ろうという気持ちで、目の前のことに全力投球しています。

今辿り着いている場所で見えてくる世界もあって、なんというか、自分が必要と感じる世界を表現して行きたいと思っています。これから私も個展を通して和紙を広め続けていきます!」

越前和紙の魅力。

あなたも再度、日本の繊細な職人の技術を、和紙を通して感じてみませんか?

そいでは!


宮森さんの和紙を使ったアートをもっと深く知ろう♪

▼宮森敬子さんの作品が見られる、日本語サイトはこちら

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